「Credit」について、契約書翻訳の観点からのまとめ。

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前回も含めて「Credit」については、何回か折に触れて契約書翻訳の観点を中心に注意すべき用法を見てきました。「Credit」には、今までとりあげてきた用法以外にも多くの用法があります。「Credit」については、これで終了としたのですが、その直後に手掛けた契約書翻訳に、学校の履修証明や履修単位を表す「Credit」と映画や放送番組、書籍等で使われる「クレジット=コンテンツの提供者」に関する記述とともに、債権・債務に関連する「Credit」が使用されていました。

そこで一度簡単ですが、これまでとりあげた「Credit」についての事柄から契約書翻訳に役立つと思われる部分、とくに債権・債務に関連する、「Credit」の意味を簡単にまとめてみました。

1. 「債権者と債務者の立場を表す」

例えば商品の売買代金について、商品の売り手A(債権者)の立場では、「my credit to B」、商品の買い手B(買い手=債務者)の立場では、「my credit from A」となります

2. 「credit to」

辞書を見ると「Credit」の意味の1つとして掛け(売り)、クレジット、信用貸し、貸方」などがあります。この意味についての動詞の場合、「credit to」は、辞書では「ある金額を貸し方に記入する」等の意味が書かれています。「貸し方に記入する」といっても非常に漠然としています。簡単な貸借対照表を思い浮かべていると以下のようになります。

貸方 借方
 

資産

負債
資本

例えば、「AがBに商品を販売する」という場合、

上記1を例にとると、AからBに商品が引きわたされた時点で、Aは、Bから代金を受け取る権利(債権)を有し、BはAに対する支払い義務(債務)を負っています。この売買が掛け売りで行われた想定すると「ある金額を貸し方に記入する」というニュアンスで訳す必要がある場合、Aは、文字通り、貸方に記入= 貸方の勘定科目である売掛金に計上、この金額をBは、借り方に記入=買掛金に計上となります。

「Credit」が債権・債務の関係を述べている場合、その契約書がいずれの側に立って書かれているかを把握することは重要です。

Our company account is in creditとすれば、「当社に口座には預金(資産=貸し方)があります」。I have 1,000,000Yen to my credit「百万円の預金(資産=貸し方)がある」

All pictures are credited to their respective owners. 「すべての写真(の権利=資産)は、各所有者に帰属します。」

いずれにしても契約書の内容、当事者間の関係、前後の文脈から判断します。

参考図書

英和大辞典(研究社)

Trend (小学館)

Oxford Dictionary of English他

 

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