契約書翻訳

英文契約書の用語(単語編)di-di(No.28)

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英文契約書翻訳に携わる中で、経験上、よく目にしたり、よく使われたり、または知っておいて損はないと思われる単語と用語について、契約書翻訳の観点から簡単な例文を作成してその用例(一部ですが)を見てみます。今回は、「disciplinary」と「disclaim」について、簡単な例文を作成してその用例(一部ですが)を見てみます。

1. disciplinaryについ

英文契約書では、それほど目にする機会がある単語ではありませんが、就業規則や組織運営に関する文書またはその他法律文等で、経験上、disciplinary disposition、disciplinary measure、disciplinary action、disciplinary sanction等として「懲戒処分」、「制裁措置」等の意味で使われる場合が多く見受けられます。名詞は、「discipline」。

英文契約書での使用については、以下のような例文を作成してみました。

The customer has no disciplinary power over the contractor’s employees assigned to perform this Project.(顧客は、プロジェクトを履行するために配属された請負業者の従業員に対する、いかなる懲罰的権限も有しない。)

The contractor shall perform hiring, training, discipline, discharge, payroll, and supervision for the contractor’s employees.(請負業者は、請負業者の従業員の雇用、トレーニング、訓練、退職、給与計算、および監督を行う。)

いずれにしても知っておいて損はない単語です。

2. disclaimについて

辞書を見ると、権利放棄、責任を否認、請求権の放棄をする等の意味が記載されています。

もちろん何かについての権利放棄等の意味でも使用されますが、英文契約書では、例えば、「商品・サービス等の保証」に関する規定等で使用されます。これらは、単に「Warranty」とか「Disclaimer of Warranties」などの表題が付けられている場合があります。また、さらに広義の損害賠償についての免責を規定することに使用される場合もあり、そのものズバリで「Disclaimer」という表題の条項を設けることも見受けられます。

以下は、商品に関する免責について以前作成した例文です。

「XXX expressly disclaims any implied warranties, including implied warranties of merchantability or fitness for a particular purpose.」(XXXは、商品適格性または特定目的に対する適合性に関する黙示的保証を含む、いかなる黙示的保証も明示的に放棄する。)

「商品等の保証」に関する規定については、以前にも、「defect」と「fee from …..」等に関する項目でとりあげたことがあります。

なを、Some states do not allow exclusions of an implied warranty, so this disclaimer may not apply to the customer……….(幾つかの州においては、黙示的保証の除外を許可していないため、本免責条項は、お客様に適用されない可能性があり…….)など場合もあり、注意が必要です。

参考図書:

英和大辞典(研究社) コンパクト六法(岩波書店)、Oxford Dictionary of English

 

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