英文契約書の用語・単語 equityについて

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今回は、英文契約書でみかける言葉「equity」について契約書翻訳の視点から見てみます。

equity 衡平法、持分、公平、エクイティ、
普通株

「equity」という言葉は、英文契約書ではある種、定番的にみかける言葉です。いろいろな意味がありますが、equityの法律的な意味の場合、辞書を見ると、「慣習法(common law)の欠点を公正と正義で補う英米法の体系」とあります。衡平法については、多くの専門書をはじめ、ウェッブ上でも、とくに専門家の方々による分かりやすい解説が多くなされています。

「equity」の使われ方として(1)「衡平法(equity)」としての意味で使われるほか、(2)「衡平法」以外の意味でequityが使われます。ここでは、英文契約書で「equity」がどのように使われているか、それぞれの例を作成した例文(法律の条文を除く)を通していくつか取り上げてみます。

(1) 衡平法」としての意味での使い方

The rights and remedies provided under this Agreement shall be cumulative and in addition to any other rights and remedies provided by law or equity or those provide under the Uniform Commercial Code (UCC).   (本契約に基づき提供される権利と救済は、累積的であり、法律もしくは衡平法が提供するその他の権利と救済策または統一商事法典に基づき提供される権利と救済策に追加される)

Any remedy hereunder shall be in addition to all other remedies available at law or in equity. (本契約に基づく救済は、法律または衡平法上で適用可能なその他のすべての救済策に追加される)

なを、「equity」は、訳によっては、「エクイティ」と訳される場合があります。

(2) 衡平法」としての意味でない使い方

株式・金融・会計・保険等にかかわる分野で良く見かけられますが、その意味も分野・文脈によりさまざまです。従って、「equity」という言葉が使われている分野・文脈を把握して個々の内容に応じて訳すことになります。以下に書き出したのは、ここ数年で遭遇したものの一部です。これ以外にも相当多くの意味と使われ方があり、辞書を参照するのは必須です。

equity(正味資産、純資産額:net asset-市場価格から担保などを引いた価格)

equity(株式・普通株)

equity capital(自己資本、払い込み資本)

shareholder’s equity(株主資本:企業の資産から負債を差し引いた残り))

equity market(株式市場:stock market)

equity securities(所有株式、 持分証券・持ち株証券:株式)

equity interest(持分・株主持分)

investment equity; equity in investment(出資持分)

The subcontractor shall have one-third or more of the then outstanding voting shares of the outstanding equity securities of or equity interest in the subcontractor. (請負業者は、下請業者の発行済み株式または持分のその時点における発行済み議決権株式の3分の1以上を保有するものとします)

If the Contractor sells its equity/shares or assets to third party, the Contractor shall inform prime contractor of it in advance. (下請業者がその株主資本/株式または資産を第三者に売却する場合、下請業者は事前に元請業者に通知するものとします。)

The term “shares, etc.” as used in this Act means shares or equity interest. (この法律において「株式等」とは、株式又は持分をいう)(銀行法

a merger with a Subsidiary Company of which the Listed Company, etc. holds all of the issued shares or equity (excluding the case of dissolution as a result of merger).(発行済株式又は持分の全部を所有する子会社との合併(合併により解散する場合を除く。)(有価証券の取引等の規制に関する内閣府令

「equity」の 衡平法としての意味でない使い方の例をいくつかあげてみましたが、この分野は相当奥が深く、本来、分野ごとに見てゆく必要があります。興味のある分野でもあるため機会があれば、分野ごとに調べてまとめたものを出してみたいと思います。

参考図書:

The New Oxford Dictionary of English (Oxford University Press)

新英和大辞典(研究社)

ランダムハウス英和大辞典(小学館)

法律用語辞典(有斐閣)

デジタル大辞泉(小学館)

日本法令外国語訳データベースシステム他

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