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英文契約書の単語・用語 同義語の併記について(その3)

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契約書翻訳に際して、英文契約書でよく見受けられる起源の異なる同義語の併記(反復)について、今回は、「made and entered into」と同義語の反復とは若干異なる前置詞の併記「by and between」について契約書翻訳の視点から作成した例文を通してみてみます。

*起源の異なる同義語の併記については、「英文契約書の単語・用語 同義語の併記について(その1)Norman Conquest(ノルマン征服)による影響」に簡単な記載があります。

1. 英文契約書の構成

英文契約書の基本構成は、

契約書名    前文       本文       署名蘭    別紙(もしある場合)の順になります。

その中の前文にも、同義語の併記-反復が見られます。

2 同義語の併記と前置詞の併記

ここでは、英文契約書の前文で慣用句として使用されている同義語の併記「made and entered into」と同義語の併記とは若干異なる前置詞の併記「by and between」について触れてみます。

This AGREEMENT was made and entered into this first day of MM, DD, 2023, by and between ABC Corporation and XYZ Company.

(締結された)を「made and entered into」と併記し、また、(両社間において)の表現を「by and between」(「~により」「~の間で」)で前置詞を併記しています。

要は、ABC社とXYZ社の間に2023年xx月xx日に契約を締結したという内容が書かれているだけです。(実際の契約書では、もっと長くなりますが、例文では骨子のみを抜粋)

なを、例文で記載するように英文契約書では契約締結日を明示的に前文の中で確認する定型文言が一般的です。慣用的な言い方で、慣れればそれほど難しいものではありません。

「by and between」は、ABC社とXYZ社の間で締結されたことをABC社とXYZ社により締結された、ABC社とXYZ社の間で締結された契約書であることを強調しています。

では、3社の場合は、「by and among」A, B and Cとなるのでしょうか?

  1.  3人(または3つの事柄)以上の場合

学校で、betweenの場合は、2つの間、3つ以上の場合の間はamongと習いました。

学校では対象が2つなら between A and B、3つ以上だったら among A, B and C とする、と習いました。

(注:betweenは、3者以上(または3つの事柄について)でも用いられる場合があります。例えば、Share the responsibilities between the five of us.        A treaty between three counties.   Between us, we can finish the job in a couple of hours. これらのように分配、共有、協力:~の間で(相互関係);(人が)協力して;(お金などを)みんな合わせてなどの場合に使われます。)

ところで、契約書の場合は、当事者が3人以上の場合、どうなるのでしょうか。by and amongと言うのでしょうか。

やはり、betweenを使ってもよいという方もおります。それは、betweenが「1対1」の関係を表しているからです。甲乙丙、三者の場合、契約書では、「甲対乙」、「乙対丙」、「丙対甲」者間の権利・義務の関係が問われているからです。つまり、3組の「1対1」があるということになります。

ところが3者間以上の契約の場合は、xxx Agreement by and among A, B and Cと記載されている場合があります。下記に簡単な例文を作成してみました。

THIS PURCHASE AGREEMENT (this “Agreement“) is entered into as of MM, DD, 2023 by and among ABC (“Buyer”), and DEF and GHI.(本株式購入契約(「本契約」)はABC(「買主」)とDEFおよびGHIにより、これらの間で2023年xx月xx日に締結された。)

THIS LICENSE AGREEMENT (“Agreement”) is made and entered into as of MM, DD, 2023 (the “Effective Date”) by and among Mr. K and ZZZ Company Ltd. and ZZZ Corporation.

本ライセンス契約(「本契約」)は、Mr. KとZZZ Company Ltd.とZZZ Corporationとの間で、2023年xx月xx日(「発効日」)に締結された。

AGREEMENT AND PLAN OF MERGER dated as of MM, DD, 2023 by and among XXX, YYY, and ZZZ.(XXX、YYY、およびZZZ間における、2023年xx月xx日付の合併に関わる合意書と計画。

Escrow Agreement By and Among Alpha and Beta and Kappa(Alpha社およびBeta社およびKappa社間のエスクロー(第三者寄託金)契約)

「by and between」、「by and among」について、契約書翻訳の視点からとりあえず知っておくと便利が事柄を書いてみました。なを、内容を参考にされる場合は、辞書・専門書をご確認の上、ご自身の責任でお願いします。

参考図書:

ランダムハウス英和大辞典(小学館)

カレッジライトハウス和英辞典(研究社)

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