売買契約 (その1)

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英文契約書による売買契約は、当然のことですが、国際間の物品の売買である貿易取引です。一例として、英文売買契約を翻訳する際、貿易取引にかかわり、現在、最も広く採用されている国際ルール「*インコタームズ(Incoterms)」、や「**改正米国貿易定義」、「***U.C.C」等に基づいた、代表的な条件である「FOB」、「CIF」、等の一定の理解なども必要です。

(*International Rules for the Interpretation of Trade Terms:貿易条件の解釈に関する国際規則として、1936年制定以来、改訂を重ね現在に至る。**Revised American Foreign Trade Definitions, 1941:1941年改正米国貿易定義。***U.C.C-Uniform Commercial Code:米国統一商法典。ルイジアナ州を除く*49州で使用されている{*ルイジアナ州は部分採択}。)

一般に、貿易取引は、「FOB契約」、「CIF契約」に分けることができます。(「FOB」が「Free on board」、「CIF」が「Cost, Insurance, Freight」であり、その他、例えば、「インコタームズ」に基づく「FOB契約」の場合、売主の商品の引き渡し義務は、売買契約に定めた船積み港で、売主が本船(Vessel)に商品を積み込んだ時点で完了することはご存じのとおりです。ただし、改正米国貿易定義、U.C.Cでは、「FOB」で、「インコタームズ」によるものと同じ条件を示すには、FOB Vessel (Port of Shipment)となります。これは、改正米国貿易定義、U.C.Cには、「売主」による「買主」の納め込み渡しが含まれるためです。)

なを、これらについては、Web、書籍(入門書・専門書・学術書)等を通じて、多くの資料を容易に入手することができます。貿易実務に携わっている方々には、必要ないと思われますが、それ以外の方たちで貿易に興味のある方は、一度見ておくのも良いかもしれません。

英文売買契約書の基本的な条項の一例

したがって、ここでは、下記一覧に代表される、英文契約書による売買契約の構成とそれについての、ごくごく基本的な事柄に関する用語の簡単な確認に留めます。(今回、項目1から項目4までを後項で記載します。)

  1. Sale and Purchase (売買の合意)
  2. Specifications(仕様)
  3. Sample (見本)
  4. Price (価格)
  5. Quantity (数量)
  6. Delivery (受け渡し)・Shipment (船積み・引き渡し)
  7. Payment (支払)
  8. Insurance (保険)
  9. Title and Risk (所有権と危険負担移転時期)
  10. Warranty (保証)
  11. Intellectual Property (知的財産)
  12. Inspection and Acceptance(検査と受領)
  13. Claim and Remedy (クレームと救済)
  14. Take or Pay(テイクオアペイ)
  15. Right of First Refusal(ファーストリフューザル)および
  16. Hardship (ハードシップ)

(実際、実務で契約書を作成していた頃、物品売買契約にも携わったこともりますが、多くは、入札書(RFP)を含むサービス契約を手掛けていました。但し、物品とサービスの違いはあるにしても、契約という概念は、同じです。個人的感想ですが、物品を扱う売買契約は、契約入門という観点からは、大枠において入りやすいとい感じがしました。もちろん、物品の引き渡しに伴う危険負担の移転等、すぐに思い浮かぶだけでも、これでもかというほど知る必要のある事柄はあり、かつ奥が深いものですが。)

 1. Sale and Purchase (売買の合意)

売買契約の成立の前提になります。以下、簡単な例文を作ってみました。

「Seller agrees to sell to Buyer and Buyer agrees to buy from Seller, subject to ………………….」とか、「The Seller agrees to sell and deliver to the Purchaser and the Purchaser agrees to buy and take delivery from the Seller………………….」など、大体は定型的な文章を多いようです。

 2. Specifications(仕様)

商品の仕様と品質についての条件を定めます。特に、商品の検査についての取り決めが重要です。商品の仕様と品質については、添付書類(例:Schedule, Appendix, Exhibit等)に別途記載して、ドラフィティングまたは交渉の段階、および契約締結後その内容について弾力的に取り決めや、変更を行えるようにするのが一般的です。

3. Sample (見本)

実際に引き渡される商品は、いかなる瑕疵もなく、すべてにおいて見本と同じものでなければならないことを規定します。

「The Products to be delivered hereunder shall be free from defects and faulty materials and correspond with any sample and conform to any description, instructions, specifications and other conditions agreed between the parties 」(本契約に基づき引き渡される製品は、瑕疵がなく、材料にも欠陥がなく、、サンプルと一致し、説明書、指示書、仕様書および両当事者間で合意したその他の条件に準拠する(抄訳))

 4. Price (価格)

いうまでもなく、商品の価格(代金)を規定します。一般に、価格の設定方法は、スポット契約、売買基本契約、長期契約等で規定方法が異なります。当然のことながら、価格の設定基準には「FOB」、「CIF」がかかわってきます。この場合、これらが「インコタームズ」による、よらない等があります。その他、前後しますが、売買基本契約、長期契約等の場合、当初期間(初年度)の価格または基準価格を規定し、一定期間ごとに価格変動要因を考慮して価格を見なおし、再設定するなどの方法にあります。もちろん、価格を固定し(Fixed Price)市場価格の変動にかかわらず、価格を変更しない場合もあります。その他、商品の価格については、為替の変動も重要な要素です。

項目5から項目14は、こちらから(売買契約(その2)

 

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