英文契約書の用語(単語編)co-co(3) (No.14)

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英文契約書翻訳に携わる中で、経験上、よく目にしたり、よく使われたり、または知っておいて損はないと思われる単語と用語について、契約書翻訳の観点から簡単な例文を作成してその用例(一部ですが)を見てみます。すべてを網羅する予定はなく、また、「単語」の範囲も、主に、いわゆる民事、特に契約書で良く使用されるものとします。注意すべき言葉には、簡単な文例を作成してみました。機密保持に関する単語confidentialconfidentiality、法の抵触等の意味で使用されるconflict of laws等を見てみます。その他英米法に特有の概念であるconsiderationをみてみました。

condemnation

非難、有罪の判決、罪の宣告、宣告の根拠、公用徴収、収用、没収

condition

条件、契約条項

terms and condition (条件、契約条件、取引条件)

condition precedent(停止条件、前提条件)

condition subsequent(解約条項、解除条件)

conditional claim(条件付債権)

conditional contract(条件付契約)

conditional offer(条件付き売買申込み、 条件付き申込み)

conduct

行為、行動、運営、管理

指揮する、案内する、行う、管理する、経営する

confidential

機密の、秘密の、信任の厚い

confidential information(機密情報、秘密情報)

confidential relation(信頼関係)

 「confidential」については、下に記載の「confidentiality」と共に、以前にブログ「機密保持義務に関する条項(Confidentiality)、機密保持契約(Confidentiality Agreement)/非開示契約(Nondisclosure Agreement)に見られる用語」で書いたことがあります。ご興味があればごらんください。

confidentiality

秘密性、機密保持

confidential(機密の)

Confidentiality Agreement(機密保持契約、守秘義務契約)、Non-disclosure Agreement (非開示契約、NDA)等、単体の契約として多く見受けられるほか、例えば、売買契約、代理店契約等、一般的な契約の中の1つの条項として「Confidentiality」が記載されている場合も多くあります。

a breach of confidentiality(機密保持義務違反、守秘義務違反),

obligation of confidentiality(機密保持義務、秘密保持義務)

secrecy(秘密、機密)、in strict secrecy(極秘で)

confine

閉じ込める、監禁する、収容する

confinement(監禁、拘置、収容)

confirmation

確認(すること)、確証、確認

confiscation

没収、押収

conflict

争い、争議、論争、衝突(利害等の)

conflict of interests(利害の衝突・利害の対立)

文中でも使われますが、独立した一条項として存在する場合もあります。

conflict of laws

法の抵触、抵触法、国際私法

以下に作成した例文のように使用されることもあります。

This Agreement shall be governed by and construed in accordance with the laws of the State of California, without regard to the conflict of laws provisions of such state.「本契約は、カリフォルニア州の法律条項に抵触することなく、カリフォルニア州の法律に準拠し、解釈される。」

confrontation

利害、意見等の対立

confusion

混同、債務の混同、営業主体の混同

connection

連結(すること)、結合、連接、縁故関係

consensual contract

諾成契約

consensus

総意

consent

承諾、同意

consent order

同意命令書

consent required

同意要求

consequential damages

間接損害

conservator

財産を管理する人、後見人

conservatorship

後見制度

consideration

約因、代金

 以前にブログ「英文契約書の前文」でも書いたことがありますが、英米法に特有の概念で、契約に有効性と拘束力を与えるために必要とされます。なお、give and takeの関係が規定されている場合、この用語が記載されなくても有効とされるようです。

 NOW, THEREFORE, in consideration of the mutual agreements contained herein, the parties hereto agree as follows:

参考図書

  • 法律用語辞典(有斐閣)
  • 英和大辞典(研究社)
  • コンパクト六法(岩波書店)
  • Oxford Dictionary of English他
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