英文契約書の単語と用語―雑記帳 債権、債務またはこれらに相当する語

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以前、「「履行」、「~を履行する」の表現について」というブログを掲載したことがあります。その中で、「履行」、「履行する」、「履行される」の対象となる様々な要素があります。その中でも「債権」と「債務」は、契約書において「履行」密接にかかわっている言葉です。

「債権」と「債務」とこれらにかかわる単語をいくつかあげてみました。

債権: a claim(claims); credit; receivables)
金銭債権:monetary claim)
貸付債権:loan claim)
不良債権:bad debt; a bad nonperforming loans; a bad credit
制限債権:claim subject to limitation
金銭債権:monetary claim
被担保債権:secured claim
債権者:creditor


債務:debt; liability; responsibility; *obligation
債務者:debtor;obligor
債務の責に帰すべき事由:case imputable to be accused of the obligor
債務の消滅:acquittance
債務整理:arrangement
債務超過:insolvency;liability exceeding assets
債務の引き受け:assumption of the obligation

* 「obligation」を辞書(英和辞典)で調べてみると「obligation」には債務や義務といった意味のほかに「債権」、「債権(債務)関係」、契約(agreement)(法律用語)という意味も記載されています(債務の意味しか記載されていない辞書もあります。)これはclaimやreceivableなどが債権者の権利のみを表すのに対して「obligation」には、債権(権利)と債務(義務)の両方が含まれているからです。言いかえれば「obligation」は、債権と債務を含むその法的関係全体=を表す言葉です。英文契約書では債権譲渡はassignment of an obligation、債権法はthe law of obligationsとされています。これについては英米法と大陸法(日本法)との違いという点もありますが、ここでは触れません)。英文「the law of obligations」を債権法をとするのも、債権法が債権・債務関係を規律する法律である点から「obligation」が使われるのもうなずけます。英文契約書に「obligation」がつかわれている場合、文脈的に判断する必要がありますが、基本的には文脈上、債務、負債、義務等とする場合がほとんどであると思われます。

ここで、「Credit」についての英語独特の概念を思い出してみたいと思います。
例えばAがBに商品を販売し、その代金を後払いにした場合、Aは、Bに対する売掛金(債権)を有し、BはAに対する買掛金の支払い義務(債務)を負います。
この売買代金は、A(債権者)の立場では、「my credit to B」、一方、B(債務者)の立場では、「my credit from A」と表されます。このようにcreditは双方向で用いられることがあります。そのほか以下のような表現もあります。

A(債権者):
Accounts receivable from B
I have a receivable from B
I have extended credit to B(Bに信用を与えた)
B owes me(口語)

B(債務者):

Accounts payable to A
I have credit from A(Aに信用を与えられている)
I owe A(口語)

詳しい説明は省きますが、会計用語としての「credit」は、文脈により「債権」、「債務」のいずれをも指します。英文契約書で使われている場合は、この言葉が記載されている文脈上、特に注意が求められます。

このブログは、個人的な覚え書きやその時の思いついた内容をそのまま記載しています。詳細については、専門書等を参照してください。説明も含め内容を参考にされる場合はご自身の責任でお願いします。

参考図書:
ランダムハウス英和大辞典(小学館)
新英和中辞典(研究社)
日本法令外国語訳データベースシステム

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英文契約書の単語と用語―雑記帳  日本語と英語の読み方・発音に違い―人名と固有名詞の一例

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今回は、天体の運行を通して、人名と固有名詞についての日本語と英語の読み方の違いを見てみます。

天体の運行に関する分野(例えば星術)では、多くの偉人・賢人の名前が出てきます。

その中に、「Ptolemy=プトレマイオス」の名前があります。

「Ptolemy」とは、*ウィキペディア(Wikipedia)によると、「クラウディオス・プトレマイオス(古代ギリシャ語: Κλαύδιος Πτολεμαῖος, ラテン語: Claudius Ptolemæus, 83年頃 – 168年頃)は、数学・天文学・占星学・音楽学・光学・地理学・地図製作学など幅広い分野にわたる業績を残した古代ローマの学者。英称はトレミー(Ptolemy)。エジプトのアレクサンドリアで活躍した。」となっています。

バイリンガルの人は、発音から来た名称そのまま「タレミー」と訳してしまいますが、日本語では「プトレマイオス」となります。

日本語のプトレマイオスは、ラテン語の「Ptolemæus」を一字一字読む「プ・ト・レ・マイ・オス」から来ています。では、英語の場合は、Claudius Ptolemyの「Ptolemy」を古代ギリシャの読み方の「ˈtɒləmi」と発音します。

発音的には、Wikipediaには「トレミー」となっていますが、「タレミー」の方がより近いと思います。実際には、「ト」と「タ」の間ぐらいの発音です。

翻訳物に「タレミー」と書いても、日本人には「タレミー」ではなじみがなく、一体誰のことは分かりません。反対に、外国人に「プトレマイオス」と言っても分からないので、Spellingを表示する必要があります。

ドイツの哲学者Emmanuel Kant(エマヌエルカント)(1724‐1804)が、1781年の著書、純粋理性批判(Critique of Pure Reason)の中でCopernican Revolution(コペルニクス革命)-Copernican turn(コペルニクス的転回)と名付けた地動説の提唱者のCopernicus(コペルニクス)の場合は、どのように発音するのでしょうか?発音は、「コウペルニカス」となります。

名前の読み方について「プトレマイオス」を例にとり、日本語と英語での違いを見ましたが、天体の運行についての話題にもどります。

Copernican theory(コペルニクス理論)におけるコペルニクス的転回とは、物事の見方が180度変わってしまう事を比喩した言葉です。あるいは、既物事を根本的に転換させた視点で考察する際の表現で、コペルニクスは、アリストテレスが提唱した天動説(geocentric theory)を捨てて地動説(heliocentric theory)を唱えたことに喩えています。コペルニクスが提唱した宇宙は、「中心火宇宙」であり、これは、「中心火」すなわち太陽を中心にした宇宙を考えたわけです。ここで初めて地球は、平面でなく、球体と考えられるようになりました。以前の考えを真っ向から反対し、全くの反対となったことが革命であり、急転回と言われる所以です。

ちなみに、あくまでも私見ですが、天動説は「geocentric theory」ですが、「geocentric」は「地球を中心とした」の意味で、直訳的には「地球中心説」となるようです。反対に、地動説(heliocentric theory)の「heliocentric」は「太陽中心の」意味があり、直訳的には「太陽中心説」となるようです。つまり、以下のように日本語と英語では、中心となる言葉が反転しています。

英語では、地球中心説(地球が円の中心と言っているのに)    日本語では太陽が回っている。

英語では、太陽中心説(太陽が円の中心と言っているのに)    日本語では地球が回っている。

天動説を採用している以上、当時の天文学においては、地球以外の惑星の動きがどうしてもランダムウォークになってしまいました。天文図では、他の惑星は地球を中心にらせん状に回って天体運航を行っていました。そのため、英語の「planet」は、語源がギリシャ語の「planetes」(「さまよう者」や「放浪者」)を意味しており、惑星が恒星に比べて天球上をランダムに動くように見えることから付けられた名前です。

一定の位置に留まっている恒星と異なり、天球上でほぼ、惑星は他の星々の間を移動するように見えます。そのため、地球から天体を見ると、地球と同一方向に移動する「順行(prograde motion)」(西から東)、地球と反対方向に移動する「逆行(re-prograde motion)」(東から西)と言うような見た目の現象が起こります。さらに、順行と逆行が切り替わる瞬間に、惑星が一瞬止まったような「留」という現象が起きます。つまり、「順行」-「留」-「逆行」を繰り返します。そのため、見た目上は、らせん状の天体運航になります。らせん運動と言う矛盾を是正するために昔の天文図では、他の惑星は地球を中心にらせん状に回って天体運航をしているように書いてあります。

観察用の器具もない時代に、その時々の知性が未知の事柄を解明していこう懸命に取り組んだことにより後に続く色々な発見に続いてきたと思うと感慨深いです。

さて、本来なら契約書に関わる事柄を述べなければならないのですが、小さな私的展開(革命的な転回は到底できません)になってしまいました。悪しからず!

なを、以前「英文契約書翻訳時における固有名詞(人名、組織名、役職名等)について」として、契約書翻訳時・作成時(日英いずれの場合も)に気配りが必要な「組織名」と「役職名」を取り上げています。

参考図書:

*「クラウディオス・プトレマイオス」(2005年8月21日 (日) 21:19 UTC)ウィキペディア日本語版。URL: https://ja.wikipedia.org

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英文契約書の単語・用語 - ちょっとBreak !  Gotta Gotta

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いつもは、英文契約書の単語・用語等についての記事ですが、今回は、たまたま耳にした1980年代の歌-Ricky Martinの最大のヒット曲であるLivin La Vida Loca(リヴィン・ラ・ヴィダ・ロカ-クレイジーな生活を送っている)(初めて聞いたのですが)-について、耳に残ったフレーズについて少し書いてみます。

「Gotta gotta」の意味とは?

この曲は、upside, inside out(さかさま、裏表反対の意)she’s livin’ la vida loca(メチャクチャな生活を送ってる!)という軽快な歌詞の後、曲の最後になってGotta gotta Livin La Vida Locaで終わります。この「Gotta gotta」は、日本人が聞くと、多くの場合、ガタガタとかガッラガッラと聞こえるようです。ところで、このGotta gottaとはどういう意味でしょうか?

「Gotta」は何の略?

少し文法的な説明になりますが、“gotta”は、省略表現「gotta」(have got to)の短縮形で、「〜しなければいけない」という意味です。これは、省略した表現であり、いわゆるスラングです。

また、これは洋画や洋楽で頻繁に使われる表現です。日常でも、「I gotta go.」(行かなくちゃ。)などと言うことがあります。そこで、この歌の歌詞に絡めて「gotta」を説明していきたいと思います。

「Gotta」の省略の仕組み

では、この「gotta」って何の略でしょう。答えは、「have got to(~しなければならない)」です。

英語を勉強しても、教科書には、このような使い方・略し方は教えてくれませんね。

日本語で考えてみても、話し言葉と教科書に載っている言葉・書き言葉は違っています。

~しなければなりません」は、「~しなくっちゃ」になるようなものです。

英語でもネイティブが使う言葉は教科書では教えていません。

「Gotta」の使用例

それでは、「gotta」についての例文をいくつか列記してみます。

  • So you gotta do what’s right. (とにかく正しいことすることだね。)
  • You’ve gotta have a little more passion. (もっと情熱を持たなきゃだめだよ。)
  • I don’t feel better. I gotta go to the hospital. (気分が良くないから、私は病院に行かなくちゃ。)

なぜ「gotta」になるのか?

日本語の場合で考えてみると、独立した一音一音で構成され、語と語をつなげて発音することができないため、「どうも、ありがとうございます」の場合、段々、端折られて「どうも、ありがとう」から「どうも」または「ありがとう」になりました。将来的には、「どっ」だけになってしまうのではないのでしょうか(あくまでも私見です)。実際、「どっも」なんていうのもあります。最後には、「ドッ」になるのでしょうか?(これも私見です-実際のところは専門書等を参照してください。)

ネイティブスピーカーは、「have got to(~ブ ゴット トゥ)」「got to(ゴット トゥ)」 と毎回話しているうちに、「どっも」のように「ゴッド トゥ → ゴッタ」「ゴッタ」と省略して語と語をつなげて発音していくようになりました。

「Gotta」を使う際の注意点

こうなってしまうと、「gotta」は非常にカジュアルで、友達や親しい人の間のくだけた表現であるため、フォーマルな場所では使わないようにしているようです。この表現を使う場合、使う場所や状況には気をつけた方がよいでしょう。

まとめ:「Gotta gotta Livin’ La Vida Loca」の意味

最後に、「Gotta gotta Livin La Vida Loca」は、クレイジーな生活を送らなきゃ、クレイジーな生活をお勧めするような意味になります。

今回は、冒頭に述べたように、息抜きもかねてちょっと気になったことを書いてみました。
今後共、弊社のブログ「英文契約書の単語と用語」をよろしくお願いします。

参考図書:

研究社新英和辞典(研究社)他

英文契約書の単語・用語 文頭の否定(まとめ他)

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契約書翻訳で良く目にすることがある、文章の冒頭におかれている否定形についてです、これは大分以前に(10年ほど前)何回かに分けて投稿した「英文契約書における文頭の否定」をまとめたものです。以前にも書いたことがありますが、英文契約書を見ると、定義条項が設定されており、重要な語句に一貫した意味を与えています。また定義条項に加え、さらに各条項に、文言が定義されている場合もあります。ただし中には慣れていないと「混乱」するような書き方の文章があります。その代表例の1つが文章の冒頭部分が否定文から始まるパターンです。目にすることが多い幾つかのパターンについて、契約書翻訳の視点から簡単な例文を作成してみました。

1. 「In no event shallIn no event will

In no event shall ABC Corporation be liable for any damages caused by or in relation to this Service. (いかなる場合も、ABC Corporationは、「サービス」に起因する、または関連する損害賠償に対して責任を負わない。)

「In no event shall」に導かれる長文では、熟読しないと、意味を取り違えるような書き方がされている文章もあります。

「In no event shall」に導かれる以下の例文を作成してみました。実務で目にする内容と比べると相当簡単なものです。

In no event shall」:

(A) ABC Corporation be liable for any damages caused by or in relation to this Agreement, (B) ABC Corporation’s liability in respect of any and all claims arising from or related to this Agreement exceed 1,000,000 Yen; and

(C) ABC Corporation’s liability for any claim extend beyond the period hereof.

文頭の文言「In no event shall」は、文章全体を否定するため、以下のように「肯定文」で書かれている文章 (A)、(B)、(C)の部分は、内容的に「否定文」になります。

(A)は、文面上では、責任を負う(be liable for):否定されているから→賠償責任を負わない。

(B)は、文面では、責任は百万円を超える(exceed 1,000,000 Yen):否定されているから→百万円を超えない。

(C)は、文面では、責任は、契約期間後も延長(extend beyond the period hereof):否定されているから→延長されない。

上記のような書き方をしなくても、自分で起草する場合、例えば、Aの文章の場合、

「ABC Corporation shall not be liable for any damages caused by or in relation to this Agreement.」 とすれば、わかりやすく、簡単です。(複数の項目を列挙するには、「In no event shall」:を使うのが便利かもしれません。)

2. 「Nothing~」

このタイプはかなり目にすることが多いフレーズです。

使い勝手が良いので和文英訳の際に良くお世話になっています。

・Nothing in this Agreement shall require ……….

(本契約のいかなる内容も、………を求めないものとする。)

・Nothing in this Agreement shall be construed as creating ……….

(本契約のいかなる内容も、………を生じると解釈されることはない。)

Nothing in this Agreement shall be construed to create any other relationship between the parties hereof.

3.「None of ~」

None of the parties hereto may assign or transfer any of its or their rights or obligations under this Agreement.(いずれの当事者も、本契約に基づく当事者、もしくは各当事者の権利と義務を、譲渡または移転することはできない。)

この例文もNone ofに導かれるその後の文章部分は、「~でない」の意味となります。この例文の中で「assign or transfer」は、これも良く使われるフレーズです。「譲渡または移転」としましたが、「assign or transfer」2語で「譲渡」とする場合もあります。また、「transfer」を「譲渡」とすることもあります。「assign or transfer」は契約譲渡制限に関する条項などに良く使われます。

上記の例文では、両当事者に対して契約譲渡制限が設けられていますが、一方のみが契約譲渡制限の対象となる場合もあります。

The Contractor shall not assign or transfer the whole or ay part of this Agreement without a prior written consent of the Customer. これも定番の文章です。

4. 「Neither」、「Neither~nor

Neither party has the authority to bind the other to any third party.(いずれの当事者も、第三者に対して相手方を拘束する権限を有しない。)

Neither the Licensor nor Licensee will be prevented from disclosing confidential information listed below; (ライセンスサーおよびライセンシーのいずれも、以下の機密情報を開示することを妨げられない)

5. 「No someone shall~」(いかなる(いずれの)当事者も~しない)」

No party shall be responsible for ~;No party shall be obliged to(いかなる(いずれの)当事者も~に責任を負わない)」

No party shall be obliged to provide further financial support to an excessive cost of the unexpected additional works by the contractor.

6. 「In no case ~; In no way ~ 」(いかなる場合も)…….決して~しない)

In no case may this agreement be transferred to any third party by the Contractor(いかなる場合も請負業者は、(決して)本契約を第三者に譲渡してはならない。)

いずれのケースもこれらの用語が文頭に置かれると、通常、その後に続く文章は、肯定文を記載します。ただし、文章全体としては、否定文になります。

日常的な例でもこのような表現は多く見られ、例えば掲示などの表現で、「No changes can be made to the tickets.」の様に表現することがありますが、「We can make no changes~」の様に、言い切ってしまうような感じでなく、No changes can be made~」の様に、「チケットの変更はできないことになっています」表現を使い、「決まりですので、ご了承の程、お願いします。」というニュアンスになります。

例文はその時の思いついた内容をそのまま記載しています。説明も含め内容を参考にされる場合はご自身の責任でお願いします。

弊社では、豊富な経験と知識に基づき原文に忠実かつ適格な翻訳を適正価格でお届けします。英日翻訳、日英翻訳のいずれにも対応しております。お客様の作成したAI翻訳による翻訳文を原文と対比して校正するポストエディットも承っております。

参考図書:
研究社新英和辞典(研究社)
ランダムハウス英和辞典(小学館)
カレッジライトハウス和英辞典(研究社)

英文契約書の用語・単語-単語編「A」」まとめと追記(その3)

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契約書翻訳の視点から以前、ブログ「英文契約書の用語(単語編)」で特に契約書で良く使用される単語をアルファベット順にとりあげました。その中の(1)-「a」から「c」の記事でとりあげた内容の中から英文契約書で目にすることが多い知っておくと便利な言葉に絞った言葉、(2)-以前の記事ではとりあげなかった事柄などについてみてみました。英文契約書の用語・単語-単語編「A」まとめと追記(その2)の続きです。例文は当方で作成したもので、訳文は暫定訳です(法律文を除く)。

1. 「A」

arbitration:仲裁:この場合の仲裁は、当事者間の紛争、解釈の相違等を裁判所の訴訟によらず仲裁機関の仲裁により解決します。この項目については、「英文契約書の用語(単語編) (No.4) ar – ar」で以前とりあげました。

article:「条項、条款、年季契約、物品、物件、品物、品目」等、さまざまな意味で使われます。

例:Article 1 (第1条)。「物品」という有体物の意味でも多く使われます。なお、有体物でも不動産などは「Property」を使うようです。

・articles of association; articles of incorporation; articles of organization; certificate of incorporation: 基本的に、いずれも会社の「定款」を表します。これについては「英文契約書の用語(単語編)(No.5) ar – ar」に記載があります。

as is:「現状のまま」、「現状あり姿」、「現品で」、

「on an as is basis」等として、例えば、売買契約等で、売買の対象物を、契約時に存在しているそのままの状態で販売先に引き渡す場合に使用します。

The Article is provided on an as is basis.

as promptly as possible:「できる限り速やかに」、「可及的に速やかに」、同様な意味を表す熟語として、「as soon as possible」、「as soon as practicable」、「as quickly as possible」、「as expeditiously as practicable」等があります。個人的に使い慣れているのは、「as soon as possible」です。日本語にする場合、最近は「可及的に速やかに」という表現よりも「できるだけ早く」のほうが好まれるようです。    Please send us thee above document as soon as possible.

assessment:査定,評価,査定額評価

asset:資産、財産、通常は、「assets」assets and liabilities(資産と負債)

All assets and liabilities shall be assigned by assignor to assignee under this assignment.

assign:「譲渡する」、「選任する」、「割り当てる」、「指定する」等。「譲渡する」の意味では、「Transfer」を使用することもあります。いずれも動詞ですが、名詞として「譲受人」の意味で使われます。なを、「譲受人」は、その他下記参照。

一例として、以下に作成した例文のように使われます。

Neither Party shall have the right to assign its rights and obligations under this Agreement without the prior written consent of the other Party.(いずれの「当事者」も、相手方の事前の書面による承諾なしに、本契約に基づくその権利と義務を譲渡する権利を有しない。)

assignee :「譲受人」、「被譲渡人」「(破産)管財人」、「代理人」なを、「譲渡人」は、assignorまたはtransferor

assignor: 「譲渡人」cf. transferor

「assignee」、「assignor」とも良く目にする言葉です。

The assignor and assignee shall observeall applicable formalities of registration regarding the assignment of Domain Name set forth in the Attachment 1.(渡人および譲受人は、別紙1に定めるドメイン名の譲渡に関する登録手続きを遵守するものとする)

assignment: 「(財産、権利等の)譲渡」assignment of claim(債権譲渡)、assignment of property rights (物権の譲渡)「譲渡証書」、「契約譲渡制限」、「任命」、「任務」

assistance:ほう助、支援、援助

assumption of mortgage:抵当権の引受け

assumption of the obligation:債務の引き受け

assurance:保証、保険,土地譲渡証書

assure:保証する、請合う

The parties hereto shall appreciate the intention of this Agreement and assure that they shall abide by the provisions of this Agreement in good faith. (本契約の両当事者は、本契約の意図を正しく理解し、かつ両者が、誠意を持って本契約の条項に従うことを確約する。)

attachment:附属物、民事の差押え、別紙、付属文書

様々な種類の添付書類の意味として使われることが多いようですが、法律上の「差押え」の意味で使われることがあります。

別紙、付属文書などの場合;

Employee’s duties shall be described in the attachment 1 to this Agreement. (従業員の職務は、本契約の添付書類(attachment 1)に記載する。)

差押えの場合;

Either party may terminate this Agreement if the other party is filed for a petition for attachment, provisional attachment, provisional disposition or auction against its property.

「差押え」を意味する言葉としてはattachmentのほかseizureが良く使われます。ほかにもありますが、この2つを覚えておくと便利です。上記の場合、attachmentをseizureに置き換えることもできます。

auction:競売、オークション

上記の「attachment」の「差押えの場合」のような例でも良く見かける言葉です。1つの例ですが、以下に作成した例文のような事例でも使われます。
The assignment, sale at auction, sublease of the license under this Agreement to a third party shall be prohibited.(本契約に基づくライセンスを第三者に譲渡、競売、転貸することは禁止されています。)

audit:監査

契約書、法律、ビジネス文書では、「会計、会社、システム等にかかわる監査」の意味で使われることが多いようです。すぐに思い浮かべるのは、やはり「会計監査」です。

「会計監査」は、auditing、audit of the accounts、accounting audit等と記載されます。

監査を行うのは、「auditor」で監査人、監査役と称される職務です。

「auditor」の意見は、[audit (auditor’s) opinion]です。

委員会設置会社では、「Audit Committee」- 監査委員会が置かれます。

内部監査(Internal Audit)のほかに、外部の第三者による外部監査(External Audit)(例:一般には、公認会計士や監査法人による会計監査)もあります。

監査結果を記載したものが、[Audit Reports ]-監査報告書、「Accounting Audit Report」-会計監査報告書等です。

外部からの監査を受ける会社(被監査会社/監査を依頼した会社)は、例えば、「audited company」とか「audit client company」等と記載されることがあります。

契約によっては、相互に、または相手方になんらかの監査を行うものもあります。

The audit shall be conducted at Party A’s expense.(監査は、甲の費用により実施されるものとする。)

その他様々な状況で使われる言葉です。例文を1つ作ってみました。

The licensor may carry out audit all books specified in the Attachment and invoices and documents based on sales activities under this Agreement after the expire or termination of this Agreement.

とりあえず知っておくと便利な言葉を思われるものをとりあげています。今回、刑事、保険・証券・金融等で使用される単語、あまり目にすることがない単語等も、省いてあります。ここに記載してない単語、用例も多くあります。さらに詳しくお知りになりたい場合は、辞書、専門書をご覧ください。なを例文は、いずれも思いついたものを書いているの実際に例文のような状況が存在するか、しないかはわかりません。内容を参考にされる場合は、説明も含めご自身の責任でお願いします。
弊社では、豊富な経験と知識に基づき原文に忠実かつ適格な翻訳を適正価格でお届けします。英日翻訳、日英翻訳のいずれにも対応しております。お客様の作成したAI翻訳による翻訳文を原文と対比して校正するポストエディットも承っております。

参考図書

法律用語辞典(有斐閣)

英和大辞典(研究社)

コンパクト六法(岩波書店)

Trend (小学館)

Oxford Dictionary of English 日本法令外国語訳データベースシステム他

英文契約書の用語・単語-単語編「A」まとめと追記(その2)

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英文契約書の用語・単語-単語編「A」まとめと追記(その1)の続きです。契約書翻訳の視点から、以前、ブログ「英文契約書の用語(単語編)」で特に契約書で良く使用される単語をアルファベット順にとりあげました。ただし、あまり使用しない言葉も多かったため、今回、その中から(1)-改めて特に知っておくと便利な言葉に絞った言葉(あくまで主観的な意見です)、(2)-以前の記事ではとりあげなかった事柄などについてみてみました。例文は当方で作成したもので、訳文は暫定訳です(法律文を除く)。

・advance: 貸金、立替え等
他の語と組み合わされて、例えば、advance payment(前払い、前渡し金)等、熟語を作ります。「advance」は、動詞としても「(…を)進める、(…を)(…へ)前進させる」、「期日を繰り上げる」等の意味で使われます。

advance disbursement: 立替金、「disbursement」は、「支払い、支出、支払金、出費等」金銭にかかわる意味

・adverse: 反対の、利害関係の相反する

他の語と組み合わさり、熟語を形成します。adverse witness(相手方証人)、

* adverse party(相手方)、adverse effect(悪影響)material adverse effect(重大な悪影響)など。

*「相手方」については、経験上、the other partyが多く使われるようです。

adversary system: 当事者主義、対審制度。英米法の手続上の制度です。

adverse claim(異議申立て、反対主張)

adverse possession(不法占有)

・affiant: 宣誓供述書

・advocate: 弁護士、主唱者-いずれも名詞。動詞では「~を擁護する」

・affirmative: 確言的な、断定的な、肯定的な

affirmative action(積極的是正措置)、affirmative defense(抗弁)、affirmative vote(賛成投票)

affirmative voteについては、例えば以下のような例で使用されるのをよく見かけます。

The affirmative vote of a majority of all directors present at any meeting of the board of directors shall be required to pass any resolution.

・agreement:合意、取り決め、協定、契約等

他の語と組み合わさり、熟語を形成します。license agreement(ライセンス契約、実施契約)、agreement about relief of liability(免責約款)、agreement for arbitration(仲裁契約)、agreement of sale(売買契約)、agreement of settlement(協定)等

「契約」を意味する場合の「agreement」と同じ意味を持つ言葉の1つに「contract」があります。「agreement」と「contract」についてはブログの最後に内容を記載しました。

・allegation:申し立て、陳述、主張。動詞は「allege」

・allotment:割当て、分配、分担額

allotment of shares(株式の割当て)「割当て」の意味では、同様な意味を持つ言葉として下記に「appropriation」をとりあげました。

・amendment:変更、修正、改正

amendment of a count(訴因の変更)「modification」、「change」も使用されます。No modification or amendment of this Agreement shall be valid or binding unless made in writing and executed by the parties hereto.本契約の変更または修正は、本契約の両当事者より書面が作成され、署名される場合を除き、無効であり、法的な拘束力を有しない。)

・applicable law:準拠法、適用法

his Agreement shall be governed by and construed in accordance with the laws of Japan(本契約は、日本国の法律を準拠法として、これに従い解釈される)

・application:申請

If the application is accepted(申請が受理された場合)、

請求、適用、application of law(法律の適用)

申込み、株式の申込み、弁済の充当、出願:patent application(特許出願)、home country application(本国出願)international application(国際出願)その他、多くの分野でいろいろな場面で使われます。

・apply:適用する‐The following definitions apply to this Agreement(本契約には、以下の定義を適用する)apply mutatis mutandis (準用する)-The provision of the second sentence of the preceding paragraph shall apply mutatis mutandis to such case.(この場合においては、前項後段の規定を準用する。)この用語も、いろいろな場面で使われます。

・appropriation:充当‐appropriation of performance(弁済の充当)、財産取得,割当て、Appropriation of Earnings Plan(利益処分案)目的の特定、流用・私用・盗用、(政府)歳出予算

・approval:承認、許可、認可、賛成、
approval of board of directors (取締役会の承認)、approval of Diet (国会の承認)

英文契約書では、「契約」を意味する英単語として「Agreement」が良く使われます。

「Agreement」のほかに「契約」を意味する英単語の1つとして「Contract」があります(その他、「undertake」、「covenant」、「promise」など類似の意味を持つ言葉もありますが)。「Contract」は、「約定」、「協約」、その他「請負」等ともされます。「Agreement」も契約という意味のほかに「同意」、「賛成」、「合意」、「一致」、「了解」、「承諾」等の意味があります。日本法では「合意」と「契約」は一般的に同じ意味を有すると考えられますが、英文契約書におけるContractとAgreement違いについて、また英文契約書の作成においていずれを使うのかついて少し触れてみました。

「契約」という意味において「Contract」と「Agreement」の違いについて厳密にはアメリカ統一商法典第2編201条12 項(UCC§1―201(12))および契約法第二次リステートメント(Restatement (Second)of Contracts)には、以下のように規定されています。

§ 28:1–201. General definitions.

(3) “Agreement”, as distinguished from “contract”, means the bargain of the parties in fact, as found in their language or inferred from other circumstances, including course of performance, course of dealing, or usage of trade as provided in § 28:1-303.

(12) “Contract”, as distinguished from “agreement”, means the total legal obligation that results from the parties’ agreement as determined by this subtitle and as supplemented by any other applicable laws.

基本的には「Agreement」は双方の合意、「Contract」は法的に有効な契約-法的強制力があるもの-とされます。なを、「Agreement」が「Contract」になるには、対価関係である「consideration(約因)」があること、契約における書面性があること、合意の明確性があること、契約の無効原因がないこととされます。

Restatement (Second) of Contracts

§ 1 CONTRACT DEFINED

A contract is a promise or a set of promises for the breach of which the law gives a remedy, or the performance of which the law in some way recognizes as a duty.

§ 3 AGREEMENT DEFINED

An agreement is a manifestation of mutual assent on the part of two or more persons. A bargain is an agreement to exchange promises or to exchange a promise for a performance or to exchange performances.

アメリカ統一商法典、契約法第二次リステートメントでも「Contract」と「Agreement」は区別されています。

ただし、実務的な場合、「契約」の意味において、は 英文契約書はその作成においてそのほとんどが「Agreement」として表記されており、その「Agreement」自体が法的拘束力のあるものとして作成されており、実務的には「Contract」との違いはありません。経験的にも「契約」=「Contract」と表記された契約書は、ごくまれに遭遇する程度です。

ちなみに日本の民法522条は、契約の成立と方式として「契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。(A contract is formed when a party manifests the intention to offer to conclude a contract (hereinafter referred to as an “offer”) showing the terms of the contract and the other party accepts the offer.)」「契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。(Unless otherwise provided for in laws and regulations, it is not required to satisfy any formalities such as preparation of a written document in order to form a contract.)」とされています。

上記のように「契約」そのものの定義についても、日本法では、「相対する2つ以上の意思表示の合致(合意)により成立する法律行為」、米国法では、「その違反について法が救済を与える、またはその履行について法が何らかの方法で義務を認める、約束または約束の一式をいう」とされています。

LOIとMOU
「Contract」と「Agreement」について触れたついでですが、契約の最終的な締結の前にその過程において当事者間で合意した事項を記載した文書として(LOI(Letter of Intent)とMOU(Memorandum of Understanding)があります。LOIは契約書の作成途中にやり取りされる合意事項(当事者間の意思確認)をまとめたもので「取引意向書」と称される場合もあり、MOUは、契約や条約、協定などが正式に締結される前段階の合意文書で「了解覚書」称される場合もあます。基本的にはいずれも法的拘束力はないとされますが、実際にはそのあたりのところは各事例について専門家の判断にゆだねられる部分です。

なを、参考までですが、米国政府のFederal Acquisition Regulationを見ると「Contract」は以下のように規定されています。
Government Contracting – FAR Part 2 – Definition Of Words And Terms – Win Federal Contracts  Subpart 2.1 – Definitions 
2.101 Definitions

Contract means a mutually binding legal relationship obligating the seller to furnish the supplies or services (including construction) and the buyer to pay for them. 以下略(長文なので)。

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参考図書:
カレッジライトハウス英和辞典(研究社)
英和大辞典(研究社)
ビジネス法律英語辞典 (日経文庫)
アメリカ統一商法典
Federal Acquisition Regulation

英文契約書の用語・単語-単語編「A」まとめと追記(その1)

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契約書翻訳の視点から、以前、ブログ「英文契約書の用語(単語編)」で特に英文契約書で良く使用される単語をアルファベット順にとりあげました。今回、その中から(1)-改めて特に知っておくと便利な言葉に絞った言葉(あくまで主観的な意見です)、(2)-以前の記事ではとりあげなかった事柄などについてみてみました。例文は当方で作成したもので、訳文は暫定訳です(法律文を除く)。

・acceleration:期限の利益の喪失、弁済期日の繰り上げ(繰上げ弁済)。

Forfeiture of the Benefit of Time for Failure to Pay Interest on Bonds(社債の利息の支払等を怠ったことによる期限の利益の喪失)(会社法

・accept:受諾する、受け入れる、収受する、受理する、譲り受ける

The Company shall entrust the services provided for in this Agreement to the Contractor and the Contractor shall accept it.

・acceptance:受諾、受理、承諾、引き受け

acceptance of debt(債務の引き受け)、acceptance of performance: 弁済受領

・accord:合意、協定、代物弁済

・accord and satisfaction: 合意、協定、代物弁済

・account:口座、会計、計算書、勘定、bank account(銀行口座)、account receivable(売掛債権)

・accounting:会計、accounting book: 会計帳簿

・actual:現実の、実際の

他の語との組み合わせで成句を形成します。actual possession(直接占有)、actual proof(実証)、actual harm(実害)

・addendum:別紙、添付書類、附属文書

同様な意味を持つ単語として「Addendum」、「Annex」、「Appendix」、「Attachment」、「Exhibit」、「Rider」、「Schedule」などがあります。いずれも、いわゆる「別紙」、「添付書類」、「付属書類」、「付属文書」などの意味を表す言葉です。

多くの場合、ある事柄を契約書本文に書くと煩雑になる場合、商品やサービス等の価格表など、将来的に変更される可能性のあるものその他様々な理由で使用されます。

これらは、名称がたとえ別紙/付属文書となっていても「契約書の一部を構成し、契約書と不可分一体」のものです。そのため、英文契約書中の「最終性条項または完全なる合意(Entire Agreement)」と称される条項において、例えば、以下に作成した例文のように「別紙」、「付属文書」が、契約の一部を構成することを確認することもあります。

All Attachments shall be deemed a part of this Agreement.(すべての別紙は、本契約書の一部とみなす。)

The Exhibits attached to this Agreement shall be made an integral part of this Agreement.(本契約書に添付の付属文書は、本契約の不可分の一部とする。)

当然、これらの内容を変更するには、例えば、以下のような内容を記載することがあります。
The terms and conditions in the addendums, exhibits and schedules attached hereto are the entire agreement between ABC Company and XYZ Corporation with respect to the subject matter hereof.

組織または政府機関等によっては、内規、法律によってどの言葉をどのように使うかが定められている場合もあります。

その他、「別紙」、「付属文書」ではありませんが、契約の最終的な締結の前にその過程において当事者間で合意した事項を記載した文書として(LOI(Letter of Intent)とMOU(Memorandum of Understanding)があります。なを、これらが契約の一部を構成することなるか否か(法的拘束力の有無)については専門家に判断ゆだねられる部分です。

・addressee:受信人

・adequate:十分な、適切な

他の語との組み合わせで成句を形成します。adequate cause(正当な理由)、adequate remedy(適切な救済(策))

・adjudication:裁定、裁判、adjudication of an appellate court(上訴の裁判)、
adjudication of bankruptcy(破産宣告)

・accusation:告発

・acknowledgment:承認、認知。 動詞は、acknowledge。The User acknowledges that ABC Corporation is the sole owner of all intellectual property rights

・acquisition:取得、獲得。
acquisition of share option(新株予約権の取得)、acquisition or loss of property rights (物権の得喪)、acquisition or loss of rights(権利の得喪)、acquisition value (取得価額)

このほかにも、他の語との組み合わせでさまざまな成句を形成します。

・acquit:無罪を言い渡す、(責任等)を免除する、acquit oneselfで、責任を履行する

「(責任等)を免除する」に使われる言葉は、ほかに「release」とか「exempt」などがあり、和文英訳では、個人的にはこの2つを使うのが便利です。

This provision shall not release the Contractor’s obligations under this Agreement.

The Lessor shall be exempted from the responsibility for small repairs required during the tenancy, the Lessee such perform such repairs at his/her own cost.

・acquittance:債務消滅、債務消滅証書

・act:(個々の)行為、行為、法律、判決書

・accrue:発生する、(権利、利息等が)生じる

Interest on this loan accrues at a rate of 5.0% per annum. (本件貸付の利息は年率5.0%です。)accrued expenses(未払費用)、accrued income(未収収益)など、accrued xxxの形式で使われることも多くあります。accrueの名詞形accrualも多く使われます。例:accrual basis‐発生ベース。

・action:行動、訴訟、動作、行為の過程全体、action for an objection: 異議の訴え、action for damages: 損害賠償請求訴訟、action in person: 対人訴訟、action on title: 本権の訴え、civil action(民事訴訟)(訴訟を意味する単語としてほかに「suit」があります。米国を例にとると、かつて「action」はコモンロー上の訴訟、「suit」はエクィティ上の訴訟とされていたようです。1938年以降、手続き上は、一応、統合されているようです。実際の手続き、運用、両者の相違等については、詳細は専門書等をご覧ください。なを、コモンロー上の救済が適切でない場合に限り、エクィティ上の権利を適用するとされています。その他訴訟を意味する単語には、これらのほかlitigation, lawsuitなどがあります。)

If a necessary of lawsuit arises regarding this Agreement, it shall be submitted to the Tokyo District Court or the Tokyo Summary Court as the exclusive agreed jurisdictional court for the first instance. (本契約に関し、訴訟の必要が生じた場合には、東京地方裁判所又は東京簡易裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。)

 訴訟判決remedy
Common Lawaction at law ⇒ actionjudgement対物的
財産差し押さえ
損害賠償
Equitysuit at equity ⇒ suitdecree対人的 (Equity act in personam)
罰金/禁固刑
特定履行(specific performance)
差止命令(injunction)

上記は、同じ文言(訴訟、判決、その他)がCommon LawとEquityで異なる場合について文言についてのみおおざっぱに記載してあります。詳細は、専門書等を参照して下さい。

・adjust:清算する、調整する、調停する

・administration:行政、管理、遺産管理

このほかにも、さまざまの意味があります。また、他の語を合わさって以下のような熟語を作ります。

administrative action(行政処分、行政行為)、administrative agency; administrative organ(行政機関)、administrative authority(職務権限、行政権)、administrative disposition(行政処分)、administrative guidance(行政指導)、administrative law(行政法)、administrative litigation(行政訴訟)、administrative measures(行政処分)、administrative power(行政権)

・administrator:遺産管理人、管財人、管理者、行政官等など。

・admission:告白、自認、加入承認、admission of claim(請求の認諾)

*ここは「admission」の項目ですが「claim」は、いろいろな意味があり、いろいろな用い方をされる注意すべき単語です。例えば、特許関連では、「クレーム」、「特許請求の範囲」、「請求項」等とされます。「claim」の類語は、「demand」。いずれも契約書では良く目にする単語です。

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参考図書:
カレッジライトハウス英和辞典(研究社)
英和大辞典(研究社)
ビジネス法律英語辞典 日経文庫
アメリカの法律と歴史 増補版 自由国民社
日本法令外国語訳データベースシステム