契約書の用語

英文契約書の用語(単語編)de-de(No.22)

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英文契約書翻訳に携わる中で、経験上、よく目にしたり、よく使われたり、または知っておいて損はないと思われる単語と用語について、契約書翻訳の観点から簡単な例文を作成してその用例(一部ですが)を見てみます。今回は、主に「delivery」について契約書翻訳の観点から簡単に見てみます。

deliberate 故意の、熟慮した、熟慮する、審議する

印象的には、deliberate inaction(故意の不作為)、deliberate crime(故意の犯罪)、 deliberate behavior(意図的な行為)などの形でも良く使われているようです。

例えば、「After the subject matter is delivered to XXX, YYY shall be only liable for damages to it if it is caused by gross negligence or deliberate behavior of YYY」(目的物がXXXに引き渡された後、YYYは、それがYYYの重大な過失または故意の行動によって引き起こされた場合に限り、それに対する損害について責任を負う。)

deliberation 審議、熟慮
delinquency 滞納、支払の遅滞、不履行、過失、義務違反、懈怠、非行

tax delinquency(税金の滞納)、
disposition of delinquency(滞納処分)、delinquency charges(延滞金)など債務不履行に関する意味で良く使われています。

Demand and Disposition for Delinquency(督促および滞納処分)

delinquent 滞納者

delinquent charge(延滞金)、delinquent debt(滞納債務、延滞債務)

delivery 引き渡し、明け渡し、納品、配達、提供、交付、出産、放出、発射

delivery of asset/delivery of movable property (資産の引渡し)、delivery of subject-matter(目的物の引渡し)、cash on delivery(代金引換払い:COD)

deliveryについて

「delivery」は、物品やサービスの引き渡しをはじめとして、色々な局面で使用されます。

いくつか例文を作成してみました。

Deliver/Delivery means delivery of the Products to the Buyer’s warehouse.(引き渡す/引き渡しとは、製品を買主の倉庫に納入することである)
The Seller shall be responsible for any loss and damage to the Product until the Buyer accepts the delivery thereof(売主は、買主がその製品の納品を受領するまで、いかなる損失および損傷に対しても責任を負う。)

Methods of Delivery of Dividend Property(配当財産の交付の方法)(会社法)

AAA shall have full corporate power and lawful authority to execute and deliver this Agreement(AAAは、本契約を履行し、提供するための全社的権限と合法的権限を有する)等、様々な形で使用されます

。このほかにも様々な例がありますが、別の機会にゆずります。

ここに記載してない単語、用例も多くあります。さらに詳しくお知りになりたい場合は、辞書、専門書をご覧ください。
「単語」の範囲も、主に、いわゆる民事、特に契約書で良く使用されるものとしました。

参考図書

英文契約書の用語

英文契約書の用語(単語編)de-de(No.21)

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英文契約書において経験上、よく目にしたり、よく使われたり、または知っておいて損はないと思われる単語と用語について、契約書翻訳の観点から簡単な例文を作成してその用例(一部ですが)を見てみます。今回は、「delay」(遅延、遅滞)について簡単に見てみます。

delay 遅延、遅滞
delay」について

1. 「delay」とは

日常語でも、しばしば受け身で使われ、「遅れる」の意味を表します。例えば、The Shinkansen was delayed by the snow. (雪で新幹線が遅れた。)名詞で使われる場合は、例えば、The delay in the arrival of the train caused a lot of confusion(列車の遅延は多くの混乱を生んだ。)

契約書の場合、「delay=遅れる」は、多くの場合、金銭の支払いが遅れた、サービスの提供が遅れた、商品が納期に納品されない等の状況で使われています。いわゆる債務不履行(default)に関する条文等でもよく見かけます。

2. 「delay」の使用の例

民法などでも債務不履行の一つの様態である「履行遅滞」などに使われています。「履行期と履行遅滞」(Time for Performance and Delay in Performance) (民法420条)、その他の法律でも、例えば「下請代金支払遅延等防止法」(Act against Delay in Payment of Subcontract Proceeds, Etc. to Subcontractors)等として使われています。

3. 英文契約書における例

英文契約書の場合の例文を参考までに1例、作ってみました。

If Party A fails to pay a penalty by operation of law, Party A shall pay the amount of the additional penalty in addition to such penalty due to such delay in the payment.

(当事者Aが法の適用によるペナルティの支払を履行しない場合、当事者Aは、当該支払遅延に起因する追加的ペナルティを当該ペナルティに加えて支払う)

これは、支払の遅延についての架空の状況ですが、例えば、自然災害等の起因する「不可効力:Force Majeure」についての条項などで使われることもある単語です。

以前、「英文契約書の用語、構文(その9)「Force Majeure」で触れたことがあります。ただし、この例文では、「delay」を使っていなかったので、不可効力について「delay」を使った簡単な例文を作成してみました。

Any force majeure delay or non-performance as defined herein shall be considered an excusable delay or non-performance, and neither Party shall be entitled to any additional compensation as a result thereof.

(本契約に記載の不可効力による遅延もしくは不履行は、正当な(許される)遅延もしくは不履行とみなされ、いずれの当事者も、その結果としての追加的な補償の権利を与えられることはない)

「delay」は、債務の履行が遅れる=債務不履行=お金の支払にかかわるという意味で、契約において大きなインパクトを持つ用語です。

参考図書

法律用語辞典 有斐閣
英和中辞典 研究社
コンパクト六法 岩波書店
Oxford Dictionary of English 他

英文契約書の単語

英文契約書の用語(単語編)de-de(No.20)

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英文契約書翻訳に携わる中で、経験上、よく目にしたり、よく使われたり、または知っておいて損はないと思われる単語と用語について、契約書翻訳の観点から簡単な例文を作成してその用例(一部ですが)を見てみます。今回は、「defense」と「deficiency」について簡単に触れてみました。

defense 一般的には、防衛、防御、守備等の意味で使われます。例えば、national defense(国防)、This tennis player is good at defense.(守りがうまいテニスプレヤー)等で使われます。

法律分野では抗弁(民事)、弁護、答弁
the defense(被告とその弁護士)等の意味で使われます。

1. Defenseに良く目にする用例

良く目にする使い方の中から、思い立った用例について文章を作成してみました。

The indemnifying party will cooperate fully with the indemnified party in the defense of any action or proceeding.(補償当事者は、当該訴訟または訴訟手続きを弁護するために、被保障当事者に全面的に協力する。)

Party A shall defend, indemnify and hold Party B harmless from and against xxxx

(当事者Aは、xxxから、およびxxxに対して当事者Bを擁護し、補償し、免責する)これは、「indemnify and hold someone harmless from」と組み合わされて定型文的に使用されます。

2. 押さえておくポイント

実際には、例えば、Party Bの後に、「its employees, agents, officers, directors and affiliates」等の他の関係者を列記して、擁護、補償、免責の範囲をさらに明確化し、さらに from and against xxxに「xxx」は、擁護、補償、免責が生じる内容を詳細に記載する場合多く、文章としては、比較的長い内容になりますが、このあたりを押さえておくと、長い文章でも理解しやすくなるかもしれなせん。

defendant 民事訴訟での被告

defendant’s own testimony(被告自身の証言)

defendant in a criminal case (刑事被告印

人)

deferral 延期

deferred sentence(刑の宣告猶予)

deferred share/deferred stock(劣後株)

劣後株とは、「配当金や残余財産の分配などで普通株よりも優先度が後になる株式のこと。」とされます。ここでは、金融、証券、特許等の分野の用語は、あえて記載していませんが、上記以外の分野の英文契約書でも、良くお目にかかる用語です。

その他、Deferred Revenue 繰延収益、deferred tax liabilities:繰延税金負債

「deferred tax liabilities related to assets belonging to current assets or liabilities belonging to current liabilities;」流動資産に属する資産又は流動負債に属する負債に関連する繰延税金負債 – (商品先物取引法施行規則)

deficiencies 欠損
deficiency 数量の不足、瑕疵、欠陥、不備、

前回述べた、「defect」と同じような意味で使われます。

Loss means any liability, loss, damage, claim, cost, “deficiency”, diminution of value, or expense, whether or not involving a third-party claim.(「損失」とは、第三者の請求が含まれるか、否かにかかわらず、責任、損失、損害、請求、費用、「瑕疵」、価値の減少、または支出を意味する。
definitions 定義、定義条項

契約書によりますが、(1)「定義条項」を設ける場合と、(2)各条項中において用語を定義する場合、または(1)と(2)の組み合わせがあります。

defraud 馴取
defray 支弁する、立て替える

例えば、XXX company shall defray all expenses hereunder incurred by the YYY company.

(XXX会社は、YYY会社が負担する本契約に基づくすべての費用を負担する(支払う)ものとします。)などとされます。

defense」と「deficiency」その他の単語について見てみました。いずれも知っておくべき単語です。詳細については、辞書や専門書をご覧ください。ここに掲載していない用語と用例も数多くあります。

次回は、「delay」(遅延、遅滞)について見てみます。

参考図書

  • 法律用語辞典
  • 有斐閣英和中辞典
  • 研究社 コンパクト六法
  • 岩波書店Oxford Dictionary of English他

 

英文契約書の用語(単語編)de-de(No.19)

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英文契約書翻訳に携わる中で、経験上、よく目にしたり、よく使われたり、または知っておいて損はないと思われる単語と用語について、契約書翻訳の観点から簡単な例文を作成してその用例(一部ですが)を見てみます。。今回は、「defect」について簡単に触れてみました。

「defect」は、「瑕疵」、「欠陥」という意味で英文契約書でもいろいろな場面で使われます。欠陥=瑕疵といっても、多様な側面があります。

「defect」の使われ方については、英文契約書の用語、構文(その17)でも、「free from….」と関連して以下の例文を取り上げたことがあります。

「The Products to be delivered hereunder shall be free from defects and faulty materials, correspond with any sample and conform to any description, instructions, specifications and other conditions agreed between the parties.」(本契約に基づき引き渡される製品は、瑕疵がなく、材料にも瑕疵がなく、サンプルと一致し、説明書、指示書、仕様書および両当事者間で合意したその他の条件に準拠する。)(抄訳)

今回、以下のような定型的な感じの例文を作成しみました。

「Seller warrants to Buyer that the Product shall materially conform to the description in Seller’s Specifications and shall be free from defects in material and workmanship.」

(売主は、製品が売主の仕様書にある説明と実質的に同じものであり、および材料と仕上がりに関するいかなる瑕疵もないことを買主に保証する。)

なを、「瑕疵がない」、「欠陥がない」の表現では、「free from….」のほかに、例えば、「XYZ shall not be responsible for the suitability of defect-free performance for xxx.」(XYZは、xxxの瑕疵のない性能の適合性について責任を負わない。)のように「defect-free…」のような表現もあります。

「defect」と関連する概念の1つとして、例えば「保証」と「救済」があります。この分野を論じると相当深い内容になってしまい、ブログという範疇では収まりません。ここでは、「defect」に関連して、「保証」と「救済」について良く使われる文章のごく簡単な例を作成してみました。(契約書に規定されない保証の排除が目的:売主が限定的な保証を提供し、黙示的保証を排除する。)

「XXX expressly disclaims any implied warranties, including implied warranties of merchantability or fitness for a particular purpose.」(XXXは、商品適格性または特定目的に対する適合性に関する黙示的保証を含む、いかなる黙示的保証も明示的に放棄する。)

契約書により、文章の構成や内容に違いはありますが、ほとんど同じような内容が書かれています。内容ほぼ同じです。

参考:Uniform Commercial Code(U.C.C. 2-312から2-317)

その他の参考図書:
法律用語辞典 有斐閣
英和中辞典 研究社
 コンパク六法 岩波書店
Oxford Dictionary of English 他
英文契約書の用語・単語

英文契約書の用語(単語編)de-de(No.18)

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英文契約書翻訳に携わる中で、経験上、よく目にしたり、よく使われたり、または知っておいて損はないと思われる単語と用語について、契約書翻訳の観点から簡単な例文を作成してその用例(一部ですが)を見てみます。。今回は、「default」について簡単に触れてみました。

deductible 免責額
deduction 控除
deed 証書、譲渡証書、捺印証書、行為の文語的表現 deed of release(権利放棄証書)、
defalcate 横領する、着服する
defalcation 公金横領、着服
defamation 名誉毀損、口頭・文書による中傷
defamatory 名誉毀損の
default 債務不履行、義務の不履行、契約不履行

default clause(デフォルト条項)

default interest(遅滞利息)

default judgment(欠席判決、欠席裁判)

1. defaultとは

この言葉は、すでに日本語として定着しているようです。元々は「何もしないこと、あるいは成すべきことが成されないこと」を意味するようですが、分野により、用いられ方に相違があります。

2. 用例による違い

例えば、 金融の分野で 「The condition of failing to meet an obligation.」であれば、義務を果たさないという条件を意味し、コンピュータなどの分野では、 「The original software programming settings as set by the factory.」工場設定(出荷設定)がされていますの意味で使用されています。

3. 英文契約書での用例

英文契約書でも、主に「債務不履行、義務の不履行、不履行」の意味でかなりの頻度で目にします。

契約書で、実際にどのように使われているか、例文を作成してみました。

A Corporation shall reimburse B Company for all losses, costs, damages and expenses incurred by B Company as a result of default of A Corporation.

「A社は、A社の不履行の結果としてB社が被ったすべての損失、費用、損害および費用についてB社に弁済する」

The waiver by X Corporation of any default by Y Corporation shall not waive subsequent defaults by Y Corporation of the same or different kind.

「Y社の不履行に対するX社による権利放棄は、Y社によるその後の同様なまたは異なる種類の不履行を放棄するものではない。」まわりくどい表現ですが、良く使われます。(意味は考えてみてください。「default」を使用した良く使われる表現の1つです)

ちなみに、コンピュータなどの分野では、良く知られているように、「default setting」(デフォルト設定、初期設定)、「default value」(デフォルト値、初期値)などと使用されます。

「default」は、重要な位置を占める単語の1つです。上記の他にもさまざまな使い方あります。

参考図書

  • 法律用語辞典(有斐閣)
  • 英和大辞典(研究社)
  • コンパクト六法(岩波書店)
  • Oxford Dictionary of English他
英文契約書の用語

英文契約書の用語(単語編)cu-de(No.17)

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英文契約書翻訳に携わる中で経験上、よく目にしたり、よく使われたり、または知っておいて損はないと思われる単語と用語について、契約書翻訳の観点から簡単な例文を作成してその用例(一部ですが)を見てみます。


前回、「credit」について触れました。今回、「credit」と対になる「debit」について簡単に見てみます。

de facto (=from the fact)事実上の

de facto contract(事実上の契約)

de facto corporation(事実上の会社)

de facto dissolution (事実上の解散)

dead loan 貸倒れ、こげつき融資、無期限貸付金
deadline 期限、締切り

cf term:期限、期日、任期、勘定日

dealer 販売店、販売業者、ディーラー
deal
dealings
取引
debenture 社債、無担保債権
debit/debt

 

借方、債務、借金

cf credit:(貸方、債権)

1. debitとcreditについて

debitとcreditについては、以前にもブログ「英文契約書の用語、構文(その13

「CreditとLoan」」の中で書いたことがあります。これらの用語は、日本語としても使用されています。ただし、なじみのある言葉にしては、英文中に記載された場合、意味として分かりにくいことがあるようです。あらためて簡単に見てみます。

例えば、「売買契約」で、AがBに商品を販売する場合、その売買代金を、Bは、Aに対して、Bが商品を受領して後、10日後に支払うことを約したとします。

実際にAからBに商品が引き渡された時点で、Aは、Bに対する売掛金(債権)を有し、BはAに対する買掛金の支払い義務(債務)を負っています。

この状況-A(債権者)とB(債務者)双方の立場-を表すのに「Credit」が使われることがあります。

この売買代金は、A(債権者)の立場では、「my credit to B」、B(債務者)の立場では、「my credit from A」となります。

debtee/creditor(債権者)debtor/obligor(債務者)

その他債務は、obligation、liabilities等が使われます。また、債権は、claim等が使われます。詳しくは、辞書や専門書をご参照ください。

2. 実際の用例

実際の英文契約書ビジネス文書では、上記のように親切に記載されていることは、まず期待できません。契約書の内容、当事者間の関係、前後の文脈から判断します。

なを、英文契約書やビジネス文書のドラフティングを行う場合、慣れないうちは、creditとdebitの使用は、避けたほうが良いかもしれません。

deceit

 

詐欺

fraud、swindle

decision 決定、判決

decision of dismissal of prosecution(公訴棄却の決定)、decision to reopen of the proceedings(再審開始決定)、decision as to the principal matter(本案の裁判)

declarant 表意者
declaration 宣言、申告

declaration of invalidity(無効宣言)

declaration of provisional execution (仮執行の宣言)

declaratory judgment (宣言的判決)

declaration of intention 意思表示(manifestation of intention)
declare 宣言する、言明する、自分の立場を表明する、意思表示する、申述する
declare orally 口授する
decree 判決、布告

主に「credit」と対になる「debit」について簡単に見てきました。「credit」は、「クレジット」として日本語として使われているためか、単語「credit」が本来持つ多様な意味を理解しないまま、「credit」=「クレジット」(日本語として使われているもの)に単純に置き換えてしまうと、文脈上の本来に意味を見失うこともあり、注すべき単語です。

参考図書

  • 法律用語辞典(有斐閣)
  • 英和大辞典(研究社)
  • コンパクト六法(岩波書店)
  • Trend (小学館)
  • Oxford Dictionary of English他
英文契約書の用語

英文契約書の用語(単語編)co-cu(No.16)

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英文契約書翻訳に携わる中で、経験上、よく目にしたり、よく使われたり、または知っておいて損はないと思われる単語と用語について、契約書翻訳の観点から簡単な例文を作成してその用例(一部ですが)を見てみます。今回は、「credit」、「damage」等について簡単な例文を作成してみました。なを、また、ここに掲載していない単語・用語も数多くあります。

corresponding amount 対等額
corresponding day 応当日
corroborative evidence 補強証拠、傍証
corrupt public morals 風俗を乱す
corruption 腐敗、汚職
cosigner 共同署名者
cost 費用

cost of an action(訴訟費用)、
cost of the trial(訴訟費用)

CO・successor 共同相続人
CO・successor who received gift 特別受益者
counsel 弁護士、法律顧問
counsellor 弁護士、参事官
count 数える、あてにする、訴因
counter offer 反対申込み、カウンターオファー
counterargument 反論
counterclaim 反対請求、反訴
counterevidence 反証
counterfeit 偽造品、模造晶
counterfeit money にせ金
counterfeit of a currency 通貨偽造
countermeasure 対策、対案
counterpart 副本
counter-performance 反対給付
country governed by law 法治国家
court 裁判所
court appointed 国選弁護人
court of appeals 米国の上訴裁判所、英国の控訴裁判所
court of equity エクイティ裁判所
court of impeachment 弾劾裁判所
court of the first instance 第一審の裁判所
court of the original instance 原裁判所
court precedent 判例
covenant 契約、捺印契約
cram down クラムダウン、破産者保護、破産債務圧縮
creation of property rights 物権の設定
creation of rights 権利の設定
credibility of evidence 証拠の信用性
credit 債権、信用、信用貸し、貸方

credit to the capital(資本への組入れ)

creditについては、以前にブログ「英文契約書の用語、構文(その13)「CreditとLoan」でとりあげています。

ここでは、前回とりあげなかった「Credit」用法の一例として、credit $  to(ドルを~の口座に入金する)という表現-つまり、お金を相手方に支払うという意味-の例文を作成してみました。

「Credit」の用法について

Party A shall credit Party B the payments due to Party A from Party B for the services.

「甲は、サービスに関して乙が甲に対して支払うべき未払いの支払いを乙に支払う。」

これらの例でも、何となくあやふやな気がします。最近、Twitterなどでたまに見かける一例をあげてみます。 All pictures are credited to their respective owners.(すべての写真(の権利)は、各所有者に帰属します。
辞書を見ると「credit to」は多くの場合、「貸し方に記入する」となっていますが、この場合、「自分のTwitterのサイトに載せているすべての写真は、それぞれの所有者にあります。」とすれば分かりやすいのでは。

creditor 債権者、creditor beneficiary(受益債権者)
crime・constituting condition 犯罪構成要件
crime 犯罪
criminal 犯人、criminal act(犯罪行為)、criminal action(刑事訴訟)、(公訴)criminal case(刑事事件)、criminal compensation (刑事補償)、criminal disposition(刑事処分)、criminal proceedings(刑事訴訟)、criminal prosecution(刑事訴追)、criminal responsibility(刑事責任、責任能力)

cf. 民事(civil affairs)、民事事件(civil case)、民事訴訟(civil action、civil litigation)、民事責任(civil liability、civil responsibility)

cross examination 反対尋問、交互尋問
cross-action 反訴
culpa 過失、negligence(過失)
culpability 責任、非難できない行為
culpable 有責の
curator 保佐人
custodian 管理者
custody 監護権、保管
custom 慣習、慣習法、custom duty(関税)
customary 常習的な
customary law 慣習法
customs 関税、税関、customs declaration (税関申告書)、customs duty (関税)
damage 損失、damage to credit(信用毀損)、damages(損害賠償、損害賠償額)、損害賠償(indemnity、compensation for damage、compensation for loss, indemnification for damage)、restitution(賠償)、Indemnification(保障、免責、賠償、補償、保障金)punitive damages(懲罰的損害賠償金)、liability for damages(損害賠償責任)、indemnifier(損害補償者)

上記は、損害賠償に関する用語の幾つかの例ですが、損害賠償に関する用語は、様々に表記されます。

「damage」について

上記の意味を持つ単語ですが、損害賠償に関する記述として「damages」として

用いられます。

損害賠償に関する簡単な例文を作ってみました。

The Contractor acknowledges that monetary damages may not be a sufficient remedy for unauthorized disclosure of Confidential Information

「請負業者は、損害賠償金が、機密情報の不法開示に対して、十分な救済となり得ないことを承認する」

「credit」、「damage」とも重要な単語です。ここで触れたほかにも、多くの用例があります。これらの単語についてより正確に知る必要がある場合、辞書や専門書をご覧ください。

参考図書
法律用語辞典(有斐閣)
英和大辞典(研究社)
コンパクト六法(岩波書店)
Trend (小学館)
Oxford Dictionary of English他

英文契約書のブログについてのあれこれ(その2)

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ここ1年ほどの閲覧数が多い英文契約書に関連するブログのTop 3を見てみました。

閲覧数が一番多かったのは、「英文契約書の用語、構文 (その22)(別紙/付属文書について)」。

次が、英文契約書の用語、構文(その14)条、項について」。

3番目が、「英文契約書の用語、構文(その11))「will」、「shall」、「may」、「agree to」、「acknowledge that」など」となりました。

ちなみに、2017年6月の閲覧数と比べてみると、

2017年6月時点で一番多かったのは、英文契約書の用語、構文「thereof, thereafter, therein, thereto等」(その3、2番目は、2017年と同じく、英文契約書の用語、構文 (その22)(別紙/付属文書について)、3番目も同じく、英文契約書の用語、構文(その11)「will」、「shall」、「may」、「agree to」、「acknowledge that」となっていました。

閲覧数の4番目から10番目までをみても、英文契約書に関する基本的な知識とか、構造について確認するためにご覧いただいているように見受けられます(当方の勝手な想像で申し訳ありません)。それだけ英文契約書を扱う機会が多いのかもしれません。

これからも、実務面で多少なりとも参考になるようなブログを続けられれば幸いです。あなを、いつも申し上げていることでことですが、ブログのテーマを深く掘り下げることはありません。正確なところは、辞書や専門書をご覧ください。

英文契約書の用語(単語編)co-co(4) (No.15)

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英文契約書翻訳に携わる中で、経験上、よく目にしたり、よく使われたり、または知っておいて損はないと思われる単語と用語について、契約書翻訳の観点から簡単な例文を作成してその用例(一部ですが)を見てみます。なお、ここに記載してない単語、用例も多くあります。

consolidation

合併、 統合

consortium

コンソーシアム、組合、協会

constituent

構成要素、成分、constituent general meeting (創立総会)

constitution

憲法、構造

constitutional

合憲的、合法の、構成上の

constitutional right(憲法上の権利)
constitutional state(法治国家)

constitutionalism

立憲政治、 憲法擁護.

constitutum possessotium

占有改定

construction

(法律の)解釈、建設、構文、構造

constructive

建設的、擬制の、法定の

constructive eviction

擬制の追立て、擬制立退き、解釈上の立退き

construe

説明する、解釈する

consular jurisdiction

領事裁判権

consultative body

諮問機関

consumer

消費者

consumer credit

消費者信用

consummation

完成、完了、成就、達成、頂点、到達、既遂

contempt of court

法廷侮辱罪、法廷侮辱

Continental Law

大陸法

contingency

偶発、偶発事故、(偶発事件に)付随する事柄

contingent liability

偶発債務、不確定責任

continuous transaction contract

継続的取引契約

contract

契約

contractor

契約者、請負人、工事請負人

contribute

貢献する、寄付する、資する、寄贈する、

contribution

寄与、求償権、出資、保険料

contributor

出資者

contributory conditions

寄与条件

contributory negligence

寄与過失、過失相殺(comparative negligence)

controller

監査役、会計検査役、管理人

convene

召集する、召喚するconvocation(召集)

The Chairperson of the Board shall convene a meeting of the Board of Directors and serve as the Chairperson of the meeting.(取締役会は取締役会長がこれを招集し議長となる。)

call(招集する)、calling(招集)

The annual shareholders meeting of this company shall be called in July every year.(当会社の定時株主総会は毎年7月に招集する)

conversion

転換

conversion of shares(株式の転換)

convertible bond(転換社債)
convertible shares(転換株式)

conveyance

不動産の譲渡

convocation

招集

cooling off

クーリングオフ

cooperation

協力、扶助

cooperative(共同の,共同事業の、協同組合)

co-ownership

共有

copyright

著作権

corporate capacity

法人の資格、会社の権利能力

corporate entity

法人、企業体、法人格(corporate personality)

corporate governance

コーポレートガバナンス、企業統治

corporate lawyer

法人顧問弁護士、企業内弁護士

corporate name

商号

corporate purpose

会社の目的

corporation

会社、法人、社団法人、地方自治体(local government、municipality)

corporation in public interest(公益法人)corporation tax(法人税)

corporeal things

有体物

The term “Things” as used in this Code shall mean tangible thing(この法律において「物」とは、有体物をいう-民法)

correction

訂正、修正、補正、罰

correspondence

書状、信書(letter)、通信

business correspondence(商業文、商業通信、業務通信)

参考図書

  • 法律用語辞典(有斐閣)
  • 英和大辞典(研究社)
  • コンパクト六法(岩波書店)
  • Oxford Dictionary of English他

英文契約書における「and/or」

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最近、気になったand/orという表現について書いてみました。

 英文契約書では「and/or」という表現が良く使用されます。(もちろん英文契約書に限らず他の分野でも使用されます。)

and/orは、字義通りに訳するなら、「and/orは、「および/または(および/もしくは)、(両方とも,またはいずれか一方)」となります。

ただし、現実にはさまざまな分野の文章で「and/orを、単に、「および」と一括りにして訳す場合もあります。むしろ「and/orは、「AおよびB」や「AとB」のように訳されている場合が一般的ではないでしょうか。また、そのように訳しても一見問題はないようです(実際、ほとんどの場合、問題ありません。)。

これについて、英文契約書の翻訳という観点から見た場合は、どうでしょうか。

上記のように「A and/or B」の文章は、「A and B」と「A or B」の2つの文章から構成されています。

「A and B」の場合、AとBの両方の意味になります。

「A or B」の場合、AまたはBである(Aであり、Bでない、またはAでなく、Bである=AまたはBのいずれか一方)の意味になります。

簡単な例文を作成してみました。

The order is placed by phone and/or written document.「注文は、電話および/または文書で行われる。」

すなわち、「注文は、電話と文書で行われることもあるし、電話または文書かのいずれか一方で行われることもある。」言い換えれば「注文は、電話と文書を使用して行われることもあるし、電話だけの時もあり、文書だけの時もある」となり、少なくとも3通りの状況があるとしています。

ところが「and/orを、「および」のみとしてしまった場合、「注文は、電話と文書で行われる」の意味になり、「注文は、電話だけの時もあり、文書だけの時もある」の部分が排除されてしまいます。

そのため「注文は、電話および文書で行われる。」とのみ訳された契約書は、翻訳された契約書の内容が契約書の起草者の本来の意図と相違します。これにより契約の当事者(または翻訳を依頼されたお客様)が不利を被る可能性も一概に否定できません。「and/or」とするのはそれなりの意味があると考えます。

とくに、「A and/or B」のA、Bの各部分が単語ではなく、複雑な文章(または長文)で構成されている場合、「and/or」=「および」と一括りに訳すと、さらに問題は複雑になる可能性もあります。

英文契約書の「and/or」の使用と訳し方については、人によりさまざまのようですが、少なくとも、「A and/or B」は、「Aおよび/またはB」とするのが無難と思われます。

参考図書:

ランダムハウス英和辞典(小学館)

新英和大辞典(研究社)他